みなさんこんにちは、シロネコ書房(@shironeko_shobo)です。
人生にはたくさんの悩みの種があります。
晩御飯は何にしよう……。
今日はどの服を買おうかな……。
今度の社員旅行には行くべきか、辞退すべきか……
小さなことから大きなことまで、人は一生を悩みながら過ごすのです。
しかし、それに対する反応は人によって様々。
「考えるのなんて面倒くさい!直感だ!」と即断即決を貫く人がいる一方で、「いやいやまてよ……」とじっくり考えてしまう人もいます。
ただ、私からは「あまり悩みすぎない」ことを皆さんにお勧めします。
なぜなら、人は悩めば悩むほど損をしてしまうことが多いからです。
目次
熟考の悪魔
悩めば悩むほど、人は一貫性を失うことが知られています。
長時間考えているうちに、頭の中の悪魔に心を乱されてしまうのです。
熟考はあなたを利己的にする
アメリカの心理学者、デイビット・G・ランドら(2012)の研究は、長考が私たちを利己的にすることを明らかにしています。
ランドらの共同募金実験
被験者4人に「簡単なゲームを行ってもらう」と説明し、各々に40円ずつ渡す。
次に、与えられた40円の内から好きな金額を「共同募金」に寄付してもらうようお願いする。
その際、寄付した金額は2倍になって共同募金に入り、最終的に集まった金額は4等分されて各々に戻ることを説明する。
(例えば20円募金すれば、2倍の40円が共同募金に入り、最後に4等分された10円が自分に返ってくる。また、全く寄付しなかった場合は40円全てが自分のものになる。)
4人での相談は禁止。また募金額の発表は、4人で一斉に行うものとする。
結果:10秒以内に決断を下した人の寄付金が平均27円だったのに対し、10秒以上考え込んだ人の平均は21円だった。
この実験からは、熟考するタイプの人間は保守的であったり、自分の利益を優先する傾向があることが分ります。
即断する人の思考回路は……
……と、直感的かつ全体に利するような行動を促します。
しかし、しばらく考え込むような人は……
40+(80+80+80+0)÷ 4 = 100円となって最大100円が手に入る。
……と、一歩踏みとどまって考えた結果、疑心暗鬼や利益への執着に心をかき乱され、利己的な決断するようになってしまうのです。
全体に利する判断を引き出すには
判断の遅い人でも、「早く決めてよ」と迅速な決断を促すと、ゲーム内の寄付率が高まりました。
しかし逆に、即断即決をしていた人に「本当にそれでいいの?」「もう少し考えてみたら?」と再考を促すと、寄付率は下がってしまったのです。
このことから、『グループや組織全体に利するような決断を引き出すためには、各々に考えるための長い時間を与えてはならない』ということが分かります。
直感的で分かりやすい判断ほど、自分を含んだ全体に徳がある道を指し示しています。
逆に長い長い議論は、各々が自分の利益を最優先に考えるようになってしまうため、泥沼化した挙句に中途半端な決断を生む……なんてことが多々あるのです。
考えすぎはあなたの軸をブレさせる
熟考は、私たちの軸をブレさせます。
ノルドグレンら(2009)らの研究によれば、ショッピングに出かけた際には、熟考するほど好みが定まらず、嗜好がブレるとされています。
「あれもいいな、でもこちらもいいな」と長く迷っているうちに、自分の好みに素直になれなくなってしまうのです。
買い物で使えるお金は限られていますから、何を買おうかと迷う気持ちは万国共通です。
しかし、過度な優柔不断は直感を鈍らせ『自分らしさ』を見失わせてしまいます。
これいいな!と思ったものはパッと買ってしまった方が、結果的に長く気に入るものになるのです。
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「考えすぎ」がもたらす悲劇

ここからは、日常に溢れる熟考の悪魔たちを紹介していきます。
試験中の葛藤
「この問題の答えはA!……待てよ、Bも怪しいぞ……うーん……はっ!よく考えたらBだよこれ!」⇒ Aが正解
なんて経験、ありますよね。
この言わずと知れたテストあるあるも、熟考の悪魔の仕業です。
直感が正しい答えを導き出していたにもかかわらず、長考がそれを疑い出してしまったのです。
問題解決時の直感は意外にあてになります。
自分を信じて次へ次へと進むことは、いい結果をもたらすことが多いのです。
逆にいちいち深く考え込んでしまうと、思い切った決断をすることが出来なくなります。
その結果、中途半端な結果しか得られなくなることも……。
特に何かに挑戦する場面では、自分の直感に頼ることも試してみてください。
本番は力むもの
「練習では上手くできるのに、本番になると失敗してしまう……。」
このような経験がある人も多いのではないでしょうか。
こうなってしまうのは「自分を強く意識してしまう」からなのです。
スポーツで、自分のフォームを意識するとかえって変な姿勢をとってしまいます。
歌のコンクールでは、いつもと違う声の出しをすると音を外してしまいます。
いつも通りにやれば、いつも通りの結果が出てくるはずなのです。
しかし、考えれば考えるほど、頭は自分を信じられなくなってしまいます。
いつも以上のことを本番でやろうと思ってもできるものではありません。
これまでの練習を信じて、いつも通りのことを丁寧にやればいいのです。
感想はパッと言うべし!さもないと……
誰かに感想を求められた時には、なんでもいいから瞬間的に答えるクセをつけておくべきです。
5秒置いて答えた内容では、その意味が反転してしまいます。
例えば、「○○さんってどんな感じの人?」と問われたとき。
「あ~……えっと……いい人だよ!」と答えても、それが本音でないことくらい相手は感じ取ってしまいます。
悩んでいるということは「保守的で利己的になっている」ということです。
「そんなに○○さんのことは好きではないけれど、角が立たないように無難な答えをしておこう」という思いが、「あ~……えっと……」には含まれています。
そういう些細なところから、人間関係はこじれていきます。
自分の発言の信頼性を保つためにも、あなたの気持ちを問うような質問にはパパッと答えるようにするのが吉なのです。
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まとめ
物事に慎重になることは確かに大事ですが、考えすぎるのもよくありません。
あなたの頭に住み着く悪魔が、「自分らしさ」や行動の一貫性をブレさせてしまうからです。
特に、人生のターニングポイントとなるべき選択をしなければならない時に、この悪魔は最大の力をもってあなたに襲い掛かります。
そこで大事なのは、バランス感覚です。
自分自身の直感を信じてあげること。慎重な思考をすること。そのどちらも大事にした選択が、あなたにとって最善の道を示してくれるでしょう。
それでも選べない時は、「失うもの基準」で未来を選んでみるのもいいかもしれません。
※詳しくはこちら

考えすぎの悪魔に負けない人生を、ぜひ目指してみてください。
ではでは、またまた。
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