皆さんこんにちは、シロネコ書房(@shironeko_shobo)です。
悲しいお知らせですが、この世から無能な上司と残業はなくなりません。
何の役に立っているのか分からないような仕事は増える一方で、収入は増えてもその分支出が増えていきます。
ロボットがこんなにも活躍している世界なのに、なぜか人の仕事は楽になりません。
このようなことが起こるのは、人が自らの余裕を活かせず、食いつぶしてしまうからなのです。
今回は、怠惰に時間やお金を浪費する、そんな人間の愚かな部分に焦点を当てていきたいと思います。
余裕を食いつぶす人間たち

パーキンソンの法則
私たちは、物事に余裕が生まれるとそこに何かしら別のモノを入れ込もうとします。
イギリスの政治・歴史学者であるシリル・ノースコート・パーキンソンは、自著『パーキンソンの法則』(1958)の中でいくつかの法則を提唱しました。
そのうちの一つが「パーキンソンの法則」で、「人間には利用可能なリソースを目一杯使ってしてしまう傾向がある」ことが示されています。
一つ例を挙げましょう。
パーキソンの時代には、イギリス海軍が縮小している(やるべき仕事が減少し、余裕が出来た)にもかかわらず、海軍省の役人の数が増えるという珍事が起きていました。
役人たちは必要以上に部下を持ちたがり、また互いに仕事を作りあったりするため、その結果として、時間と財源が許す限りの無用な人材確保が繰り返し行われていたのです。
(※なすべき仕事の量の増減に関係なく、なんと毎年5-7%増加していたとも!)
仕事は増えるよ、定時を超えて
このパーキンソンの法則からは、「仕事の量は完成のために与えられた時間を満たすまで膨張する」という法則も導き出すことが出来ます。
つまりは、さっさと終わるような仕事でも、わざわざそれを複雑にしたり、余分な物を追加したりして、リミットギリギリまでかけて仕上げようとしてしまう、ということです。
現代の日本おいても、これらの現象は健在です。
それ、本当に必要なの?と思うような「仕事のための仕事」が回ってきたり、ポストが空いたからと「無能課長」が爆誕したり……etc.
ロボットがいくら有用に活用されても、そこから生み出された人間側の「余裕」を、私たちは持て余してしまっています。
その結果、「階段はこれから片足のみで上り下りするように」といったような無益で意味不明な指令が出てしまうんです(たとえ話ですよ?)。
少し前ですが「表計算ソフトを使って業務を効率化してたら、先輩に『ズルをするな』と言われた」なんて話もありました。
こんな感じで、昨今の日本人は「どれだけ仕事を効率的に行うか」ではなく、「勤務時間をどれだけ『仕事をすること』に使うか」を考えてしまっています。
言い換えれば、「時間一杯、どれだけ仕事をしているフリをするか」。
これも、パーキンソンの法則によるものなのは明白ですね。
一日にこなした仕事量は同じでも、効率よく仕事を終わらせて、余った時間で休んでいる人間は「怠けてるやつ」と評価されてしまいます。
それ故に、人は与えられた勤務時間を何とか埋めようと、意味のない仕事を無理やりにでも生み出してしまうのです。
現代には、そんな「職場」という舞台で踊るピエロたちがたくさんいます。
これでは、日本全体の生産性なんて上がるわけがないですよね。
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いろんな“余裕つぶし”
「有限なリソースを限界まで使ってしまう」というこのパーキンソンの法則は、私たちの生活のいたるところでその効果を発揮しています。
例えば、
・冷蔵庫は常に一杯(余分なスペースがあるとすべて埋めてしまう。)
・本棚を増やしても、その分だけ新たに本を買ってしまう。(同上)
・収入が増えてもその分支出が増える。(お金はある分だけ使ってしまう)
・夏休みの宿題はいつもギリギリにならないと始められない。(小学生の宿命)
・終電までに残業して終わらせればいいやと、ゆっくり仕事をする(本当はもっと早く終わらせられるのに、時間を浪費する)
・原稿の締め切りはいつもギリギリ(作家や漫画家の運命)
こうした例が挙げられるかと思います。
身に覚えのある項目があった人も多いのではないでしょうか。
冷蔵庫の話なんかは、私も「買いだめした方が楽だ」とついついやってしまいます。
実際のところ、あまりに庫内をぎっちりさせると、空気のめぐりが悪くなって、保冷効果も減少、電気代も余分にかかってしまう……とデメリットだらけなんですよね。しかし分かっていても、ついついやってしまう……。
何より、そんなに買い込んでも使いきれません。そうやって夏場に大量に野菜をダメにした経験も……反省してます。
皆さんにも心当たりがあるであろうものといえば、夏休みの宿題でしょうか。
できる子だと7月のうちに、1週間か2週間で終えられてしまうようなものなのに、大抵の子は8月の最終週にべそをかきながら鉛筆を握ることになりますよね。
収入の話で言えば、「年収1000万円の貧乏人」なんてタイトルの本が世に出回っているくらいです。それだけ、お金に関してだらしない人が多いということなのでしょう。
人生上手くやりくりするためには、いくら稼ぐかではなくて、稼ぎからいかに余裕を生み出すかが大事なのかもしれません。
こうして見てみると、人間はさまざまな「余裕」を無駄にむさぼっていることが分かりますね。
もっと有意義にその余裕を利用すればいいのに……と、ほとほと呆れてしまう、人間は愚かしい生き物です。
その「余裕」を有意義に使うには

パーキンソンの法則に従えば、私たちは与えられたリソースを大抵無駄なことに費やしてしまいます。
これを防ぐには一体どうしたらよいのでしょうか。
答えは意外に簡単。
「予定を入れる」、これだけです。
私たちが余裕を無駄にしてしまうのは、それを持て余してしまうからだと先に述べました。
つまり、今ある余裕や、この先生まれるであろう余裕に前もって意味や計画性を与えてしまえば、その余裕を持て余さずに済むという訳です。
例えば「この仕事は7時までに終わらせて、その後に絶対気になっていた映画を見にいく」と、自分の行動にデッドラインを設けて、それ以上時間の浪費をしないようにします。
そうすることで、仕事に工夫とスピードが生まれ、効率的に業務をこなすことができるのです。
だらだらと終電まで仕事を引きのばすこともなくなり、気になっていた映画を見に行くこともできて、トータルで考えれば時間を有意義に使えていると言えますね。
別に映画でなくてもいいんです。ただ単に「絶対に早く帰る!」とか、「家で嫁と晩酌する!」とか、なんでも。
大事なのは、目の前に横たわる余裕をむさぼって、意味のない行動で浪費してしまうのを防ぐことですから。
そのほかにも、「冷蔵庫には3日分以上の食材を入れない」、「本棚のこのスペースは料理関連の本を入れる」「必ず毎月給与の10%は貯金する」など、目の前の「余裕」に意味と計画性を与えてやることで、効率よく物事をこなすことが出来るようになります。
夏休みの宿題だって、「1日5ページドリルをやる。ポスターや作文など大物は1週間に1つ完成させる」と決めておけば、8月31日の悲劇は起きないのです。
あの悲しみに二度と身を投じることの無いように、自分の行動に予定を入れることの大事さをぜひ覚えておいてください。
まぁ、この「予定を立てる」こと自体がみんな苦手だから、会社の階段でけんけんするような事態が起きてしまうんですけどね……。
まとめ
私たちは、日々目の前の余裕をむさぼって生きています。
そして大抵の場合、そのむさぼり尽くした余裕は「後悔」へと変わります。「あの時ああしていれば……」という嘆きは何も生みださないのです。
そうならないためには、人生は有限なものだと知り、そこに余裕などないのだと計画的に過ごすことが大切なのです。それが、無駄のない有意義な時間を生みだします。
パーキンソンの法則にあらがって、時間を有意義に使って、気持ちのいい毎日を送れるように皆さんも務めてみてください。
とくに、社員に意味不明な仕事させてる上司や経営者、あんた達はなぁ!
……とりあえず、私も今からスケジュール帳を買ってこようと思います。。。
ではでは、またまた!
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