宝くじで1億円当たっても幸せなのは1年だけ!インパクトバイアスがもたらす大げさな未来に惑わされるな

たくさんの札束

 

・宝くじで10億当てたい!

・イケメンでお金持ちな彼と付き合いたい!

・一流企業に就職したい!

・志望大学にストレート合格したい!

などなど・・・

 

誰もが一度は思い描くような夢から、個人的な目標など、人生にはいろんな「あんなこといいな、できたらいいな」があふれています。

そしてそうした夢を頭の中に思い描くのは、それらが莫大な「幸福感」を長期的に自身にもたらしてくれると思っているからです。

 

しかし実際には、思い描いた夢がかなったとしても、私たちの心は想像したほど幸福感を感じないことが分かってきています。

今回はそんな心の働き、「インパクトバイアス」を紹介していこうと思います。

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インパクトバイアスとは

未来を大げさにとらえてしまう一組の男女

人間は未来の予測が苦手です。

特に、未来のある地点において「自分がどのような感情を抱いているか」を予想することは難しく、想像の域を出るものではありません。

にもかかわらず、私たちは未来の出来事が自分に与える影響や、その時の心の状態について、とても大げさな判断を下してしまうのです。

 

例えば

・宝くじが当たったら仕事辞めて……好きなことやって……あぁ、死ぬほどうれしいだろうなぁ!

・あのホワイト企業に入れたら、高給取りで、定時帰りの有給全消化、同窓会でも自慢できる……老後まで安定で……最高だよ!

・あの大学にいけたら、きっと最高に楽しいキャンパスライフが送れるだろうなぁ!

 

と、こんな具合に。

 

しかし大概の場合、実際にその出来事を経験したときには

「あれ?こんなものか」

「思っていたのと違うな」

と感じてしまうのです。

 

・宝くじ当たって仕事辞めたけど、特にやることも思いつかなくて退屈だ……

・念願のホワイト企業に入れて、確かに待遇はいいけど、毎日同じことの繰り返しでつまらない。こんな歯車人生でいいのかな……

・憧れの大学に入ったけど、思ったほど楽しくない……。授業はつまらないし、今日も1限さぼっちゃったし……

 

あれだけ熱くあこがれていた夢も、現実に成し遂げてしまうとそれほど達成感はなく、長期的にもたらされると思っていた幸福感は、少し時間がたつと以前と変わらない水準にまで落ち着いてしまいます。

 

未来の感情の予測が不得意なのに、それを実際よりも大きなものとして思い描いてしまう現象……これこそが「インパクトバイアス」なのです。

 

私たちの心は、「あんなこといいな、できたらいいな」に、実際以上の幸福感を期待してしまいます。しかも、それが人生において長く続くものだとも思っています。

しかし現実は悲しきかな、想像よりもいくらか下の、しかも短い期間の幸福感しか得られないのですね。

 

心を守るための機能だった!?

高くそびえたつ心の防壁

ネガティブな方向にも、インパクトバイアスは働きます。

 

例えば、事故で下半身が動かなくなり、一生車イス生活を余儀なくされるとしたら、あなたはどう思うでしょうか。

人生の終わり?ずっと嘆き苦しんで暮らす?

いやいや、実はここでも「なんだ、こんなものか」と思えてしまうのが人間なんです。

 

心理学的免疫システム

先ほどのポジティブな例とは真逆な、ネガティブな未来の感情を想像してみましょう。

 

・手術が失敗して失明したら選手生命も終わり……そうなったらもう死んでやる!

・この受験に失敗したら人生終わりだ……。

・就活がうまくいかなかったら、負け組確定だ……。

・大好きな彼女が最近冷たい……。もしも振られたら悲しすぎて1か月は寝込んじゃうよ。

 

はい、もうバリバリにバイアスがかかってますね。

 

しかし、この悲劇のどん底のように想定される悲しみも、ポジティブな期待を実現した時と同様に、実際に経験すればやはりそれほどショックを受けることはないという研究結果が出ています。

しかも、ノースウェスタン大学で行われた研究では、なんと、事故によって下半身不随になった人と、宝くじに当たった人の幸福度は、その出来事があってから1年もたたないうちに「同程度」になることが明らかにされました。

これから一生車イス生活の人と、一億円という大金を手に入れた人の幸福度が同じラインにまで収束するという結果には、直感的に衝撃を受けるものがありますよね。

 

この現象は、「心理学的免疫システム」と呼ばれ、ハーバード大学のダン・ギルバート教授によって提唱されました。

 

彼によれば、この心理学的免疫システムは、辛く苦しい体験に対して心に防壁を立てることにより、残酷な現実に対処するための心理的働きであるといわれています。

 

大好きな初恋の人への告白が失敗に終わればショックを受けるのは当然です。

しかし、そん時でも「こうなったらもう生きていても意味がない!」と思うほどのショックが心にガーンッ!っとやってくることはありません。

甘酸っぱい初恋の思い出として、心にそっとしまわれる程度のものです。それほど大げさなことではありません。

 

イサミ
ひどい!私の初恋の痛みをそんな軽いものだなんて言わないで!

 

おやおや、これは失礼。

でも、これって素敵なことなんですよ。

だって、そのおかげでまた新しい恋を見つけられるかもしれないのですから(キメ顔スマイル)

 

まとめ

今回は、心が未来の感情を大げさに予測してしまう「インパクトバイアス」について見てきました。

 

もう一度、内容について簡単に要約すれば、

 

インパクトバイアスとは

・私たちは未来の心理的感情に対して、ポジティブにもネガティブにも、大げさに予測しがちである

・そのような心理的感情が長期間続くと思いがちである

 

こういうことになるでしょうか。

 

人生にはその節々において、大きなイベントがあります。

そして私たちは、そうしたイベントが自分に対して大きく影響を与えるものだと思いがちです。

しかし、たとえ大金が手に入っても、有名人になっても、恋人が死んでも、会社をリストラされても、それは一時的な出来事です。

その後にもあなたの人生がずっと続くことを心は知っていますから、大きな衝撃が心ダメージを与えないように、このような機能が備わっているのかもしれません。

 

ああなったら幸せ!こうなったら不幸!など、世間ではいろいろ言われているかもしれませんが、

たった一つの出来事が、あなたの人生をずっと幸福に、または不幸にし続けることなんてありえないのです。

 

何事も期待しすぎず、かといって悲観しすぎず、毎日を小さな驚きで満たしていくことが、人生全体を幸福に導く鍵なのかもしれませんね。

 

それでは、今日もビシッ!と決まったところで今回はこの辺で。

 

ではでは、またまた!

 

 

 

イサミ
(たった一言のために女装させられる俺って……)

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ABOUTこの記事をかいた人

シロネコ書房

物語とコーヒーが好きな一般成猫。横浜市の隅っこで暮らしています。人の「心」について興味を持ち、日々、ふむふむと勉強中。 このブログでは、これまでに学んだ「毎日を生きやすく、楽しく暮らす」ための心のノウハウを、Life Hack(ライフハック)ならぬ「Cocoro Hack(ココロハック)」と称して紹介していきます。